紆余曲折を経て3年間の時間が流れた。
漠然と”5年で税理士に!”という目標を掲げており、目標達成のためにはもう後がない。
勝負の4年目が始まる。
3年目終了時点での状況(25歳)
① ブラック会計事務所にお勤め
② 大学院へ進学1年目 ※試験時点では2年生
③ 独身
④ 税理士試験、過去3年全敗
初めての専門学校へ
まったく手応えのない3年間を過ごし、このままじゃいけないと焦りを覚えた私はとうとう最終手段を選択。
「なりふりかまっていられない。専門学校へ通おう!」
ようやく人並みの考えに至ったのであった。
本当は2科目合格が欲しかったので簿財コースを選択しようと思っていたが、当時は大学院にも通っていたので金銭的な余裕はなかった。
結果、簿記論1本を選択。
9月開講コース
大学院の先生の薦めで、近隣の大原学校の税理士講座へ申し込み。
コース選択によって、金額も変動するため非常に大切な選択になってくる。
私は受験経験はあったものの、経験者と言っていいかどうかも悩み、次の理由によりいわゆる簿記論の通学の9月開講コースを選択。
① 前年の配信コースでは甘えが出てしまったので、甘えを断ち切るために毎講義主席しようと考えたこと
② 過去の勉強に意味を感じられなかったためほぼ初心者に近い状況であると考えたこと。
9月開講コースは、初受験の人が選択するコースであり、おおむね次のようなスケジュールで勉強が進んでいく。(※ 当時と今は少し違うかもしれません)
① 9~12月 基礎
本当に初心者レベル。経験者にとっては退屈。
社会人でも難なくこなせる。
② 1~4月 応用
ここから難しい論点が多くなってくる。
会計事務所勤務者にとっては繁忙期と被るためここが最大の山場。
③ 5月 直前
模試や過去問などの試験形式が多くなっていく。
①と②で挫折した場合、挽回はほぼ不可能。
さらに時間割も2種類あり、自分の生活スタイルに合わせて選択をすることになる。
当時の私は、大学院で平日夜が潰れていたこと、勤めていた会社がブラック企業で深夜まで働くことがあること以上の理由により休日のロングコースを選択した。
① 平日夜間コース(週2コース) 仕事終わりの会社員が多い。 全体的にみんなお疲れ気味。 ② 休日終日コース(週1) 休日が1日潰れてしまう。 若い人も多い。
自分に課したルール
こうしてコース選択を終え、授業料を支払った。(現在だと230,000円らしい…)
けして安いおカネではないため、無駄にするわけにもいかず、私は2つのルールを自分に課した。
① 授業を毎週欠かさず出ること ② 成績はトップを維持すること
①について、甘えさえ捨てれば達成することができる至極簡単なルールである。
②については、このクラスでトップを維持していないと当然本試験で合格はできないと考えたゆえのルールである。
私はこの1年を厳しい修行だと思うように決意した。
当時の私を振り返ると、年間のタスクは3つ。3足の草鞋を履くことになる。
- ブラック企業での仕事
- 大学院での修士論文や課題などの勉強
- 大原予備校での勉強
どれかを切り捨てよう。答えは簡単だった。(実は直前期に入るタイミングで仕事を辞めました。)
成績トップを維持するために行ったこと(基礎期・応用期)
まずは自分の勉強方法の確立から行った。
基本的なルールは2つ。
”予習を行わないこと”と”復習に時間を費やすこと”
① 予習を行わない
当時の私は3足の草鞋を履いていた。時間の効率的に使うため必要があった。
そこで予習を行うことを辞めた。これは私が初学者でないためそこのアドバンテージも利用した。
初めて聞く言葉もほぼない、単元を見れば勉強内容もある程度予想もつく状態だったため予習は意味がないと判断をし、なるべく睡眠時間を確保するために予習は行わなかった。
② 復習に時間を費やすこと
前述通り、初めて聞く言葉もほぼない、単元を見れば勉強内容もある程度予想もつく状態だったため、あとは授業で聞いたこと、解法が確立できていなかった箇所の修正などがほとんどであった。
そのような箇所を授業中にピックアップし、自己修正・解放の会得のための復習に時間を費やした。
具体的には、土曜日の授業だったので、翌週の土曜日までの授業の間が中6日ある。
その週の課題を復習という形で7回転行った。実は時間割の選択が大きく有利に働いた。
具体的な週間スケジュール 土 授業 (午前2時間半+午後2時間半+夜に1時間復習) 日 復習 (1時間) 月 復習 (1時間) 火 復習 (1時間) 水 復習 (1時間) 木 復習 (1時間) 金 復習 (1時間) 週の合計 12時間 月の合計 48時間 年間 9~7月なので11カ月 576時間
私の1週間のスケジュールは土曜日から始まったが、平日の夜に授業を入れてしまうとこのスタイルが確立できていなかっただろう。
とにかくこのスケジュールでなんとか基礎期・応用期を乗り切った。
成績トップを維持するために行ったこと(直前期)
この直前期から授業内容がガラリと変わる。
インプット主体からアウトプット主体の授業に切り替わるのだ。そうテスト形式がメインとなる。
ここでの順位が本試験にも直結する。私は基礎期・応用期を乗り切り、成績もトップ層に食い込んでいた。
自分の勉強スタイルに自信を持てていたので、ここでは上位10%に入りたいな~と漠然と考えていた。
なお仕事はやめたものの大して勉強時間には割かなかった。確立したスケジュールを崩すのが怖かったことと修士論文の方に時間を割いていたのが原因である。
実際はおそらく上位10%をクリアできていたと思う。合格できるかもと漠然と思うようになってきたのもこの時期である。
しかし、直前期で大事なことは順位ではなく、問題に対するアプローチを確立できていたかどうか、問題に対する解法を持っているかのここ2点である。
① アプローチについて
例えば本試験の次の問題を例に挙げる。
kakomonn mondai_boki.pdf (nta.go.jp)
総合問題の有価証券の問題である。
今解ける自信は毛頭ないが、【有価証券、有価証券評価損(益)、有価証券売却損(益)、その他有価証券評価差額金】などの科目を合わせると得点が入ると思われる。
独立性が強い科目については絶対に合わせなければいけないため、ここのアプローチ方法が確立できていたかどうかの確認する場面なのである。
独立性の強い科目を合わせることは合格にとって必須、優先度が高い項目なのである。
例を挙げると他にも、賞与引当金関係、退職給付関係、配当金に係る資本取引関係、消費税などが候補に挙がる。
逆に独立性の低いものについては、後回しでいいのである。
売上、仕入れ、棚卸商品などは複合的に絡み合うので優先度は低いと判断していた。
もっとも愚かなのは繰越利益剰余金、当期純利益を合わせにいくことである。
そうすると法人税等も合わないかもと思考を回すことができ、解かない問題を決めることができる。
本試験から離れてしまった私でも解答用紙を見ただけで、ある程度戦略は立てられる。
② 解法を持っているかどうかの判断について
ここは問題を解いた量で決まるといっても過言ではない。
息をするかの如く解法を持ってこれるかどうかに勝負がかかっている。
つまり解法が持ってこれない=息ができない状態なのである。
本試験では見たことのない問題形式がたくさん出てくる。
しかし、勉強で費やした時間は自信にもなる。自分が解けない問題=他の人も解けない問題、ここまで持ってくれれば合格は近い。
気になる合否は?
予備校での成績もよかったため自信とそれでも解けなかったらどうしようという不安が入り混じった迎えた試験当日。
過去3年間とは明らかに感覚が違うのを感じていた。
試験を受けるのが怖いのである。
今までは受かればいいなぐらいの感覚だったのが、今回は受からないとマズいという感覚に変わっていたのである。多分ディズニーランドには行こうなんて邪な考えは到底浮かばないような精神状態であったのを覚えている。
先輩には「受かる自信がある年ほど、試験に行くのが怖くなる」と言われた。おそらくこの感覚だったのであろう。
そんな感覚のまま試験スタート…。
え?めっちゃ難しいんですけど!!!?
全く解けなかった。彼女にはなんて言おう、両親に頭下げて養ってもらおう、そんなことを思っていたかな。
隣の受験生は早々にギブアップをしたのか眠りについていた。
とりあえず予備校トップの意地で、埋められるところだけ埋めた。
もう本当にそんな感じ。
結果は…見事合格。
なんで合格できたのかは全く分からなかったが、初めての合格を勝ち取れたのであった。
受験生へ
受験生へのアドバイスは3つ
① 何かを捨てる覚悟はあるか?
私は、配信授業ではなく通学授業を選択したことによりまず甘えを捨てました。
また3足の草鞋は無謀でした。2足までと考え、仕事という草鞋を1足脱ぐ決意をしました。
仕事、家庭(子育て)、勉強、この3足でもきついと思います。
子どもが生まれて2年経ちますが、ここにあの時の勉強が加わると考えるとゾッとします。
多分挫折したことでしょう。
② 今まで頑張った自分を信じよう
合格レベルまで来ると試験が本当に怖い。
でもそこまでの感覚に持ってこれた自分を信じよう。
③ 簿記論の計算をガチれば財表の計算がゆるく感じる。
これはほぼ後日談。また次回語ります。
H28年の簿記論なんですけど、今の受験界での評価ってどうなっているんだろう?だれか教えて~
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