会社に副業がバレることは、多くの労働者にとって深刻な問題です。
しかし、そのメカニズムや理由について十分な理解がされているとは言い難いことがあります。
そこで、この記事では税理士の視点から、なぜ副業が会社にバレるのかについて解説します。
そもそも確定申告って?
自分の収入・税金(所得税)を「確定」させて、税務署(国)に「申告」する手続きを確定申告といいます。
確定申告の対象者は
①主な収入源が給与以外の場合(個人事業主)
②特定の条件を満たす場合(副業、ふるさと納税、医療費控除など)
に確定申告が必要です。
副業を行っている人は、②の条件に該当するため確定申告が必要となります。
ここで重要なのは、確定申告書の提出先です。
確定申告書の提出先は税務署(国)になるので、この段階ではご自身の勤務先には情報は回っていません。
所得税だけじゃない、もう一つの税金!!
確定申告で計算される税金は、「所得税」だけでなく、「住民税」の計算も並行して行われます。
住民税は、日本国内の居住者が毎年支払う税金の一つで、1月1日時点に住所を有する市区町村に納める税金です。
この住民税は、確定申告書をベースに計算が行われ、各市区町村が管轄しています。
しかし、市区町村に確定申告書を提出する人は少ないと思います。
実は、税務署(国)から市区町村に情報が共有されるため、市区町村に情報を提供しなくても住民税の計算が行われることとなります。
あなたの申告書の情報が、税務署(国)から市区町村に共有され、住民税が計算されることになります。
まだまだこの段階では、勤務先には共有されていません。
諸悪の根源!住民税の天引き制度!
ここまでであなたの情報が、
「国」→「住んでいる市区町村」
と共有されました。
ここから、
「国」→「住んでいる市区町村」→「勤務先」
と共有される流れになるのですが、その根拠となるのが次の制度です。
住民税の特別徴収制度(天引き制度)
給料から税金を毎月天引きする制度となっており、天引きする税額が勤務先に共有されます。
勤務先が想定している天引き額と相違がある、給与所得以外の所得の記載がある、などの要素から副業がバレるといったフローになります。
この制度の名称が「特別徴収」となっているので、原則的な制度もあります。
しかし今ではサラリーマンの税金の徴収方法は「特別徴収」が主流となっています。
理解しがたいので、名称を変更してほしいと思っています。
こんなことでもバレる!?理屈ではない要素!!
今回は理屈の面を解説しました。
その他にも副業がバレる可能性が高い要素を紹介します。
①社内での不用意な言動や行動
②SNS上での情報漏洩
副業が会社にバレるメカニズムやその理由について、税理士の視点から解説しました。
確定申告や住民税の仕組み、そして特別徴収制度など、副業バレの背景にあるさまざまな要素を理解できたかと思います。
しかし、理屈だけでなく、社内での不用意な言動や行動、またSNS上での情報漏洩など、身近な要因も副業バレにつながる可能性があります。そのため、副業を行う際には慎重な行動が求められます。
最後に、副業を始める際には周囲とのコミュニケーションを大切にし、法的な規制や会社の方針に則りながら行動することが重要です。安心して副業を楽しむために、慎重かつ賢明な行動を心がけましょう。
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